高知市に行くならば必ず訪れたい建築が幾つかあり
その一つ。建築家 堀部安嗣氏が設計した「竹林寺納骨堂」です。
存在を主張せず、素朴に凛と佇む建築手法の代表作であるがごとく
もともとある竹林寺の景色に溶け込むように、染み込むように配置された建築です。
生とは何か。
死とは何か。
万物のすべては即ち自然であることを考えるアプローチ。
外界の光と、深く伸びた庇の奥にある闇の対比。
陰影の先にある光が、また生へといざなう。
その先には水盤が敷かれ、光、風、緑、水、香りに故人を偲ぶ空間と感じた。
とにかくdetailに魅了される。
エントランスは背割りのない無節の柱。いわゆる芯去り材。
構造材は3.5寸角(105mm)ですべて統一され、規則正しく配列した意匠美に襟を正す。
屋根と軒先。外周と外構の関係性。
堀部建築に魅了された、そんなひと時でした。