それは本当に必要か。

青森の旧家の娘に生まれた娘。
父が事業に失敗し、家を手放し、そして故郷を離れた淡谷のり子さん。

 

歌手として成功し、何十年もあと公演のおりでふと通りがかったとき
昔の旧家がそのままの姿で建っていたその時、震えるような懐かしさといったら
なかったという、そんな話。

 

 

普通の人が建築に心が震えるのは、きっとたぶん自分がかつて体験した
懐かしい建物を目にした時なのである。。。

 

建築としての美しさや歴史的価値、はたまた建築業界の話題作など。
きっと、その反対に位置するごくごく普通の学校や庁舎、生まれ育った家や
路地や街並み。その時その場所にいた記憶に深く介在するものだと感じる。

 

 

建築の本質を考えること。
日々。そんなことを考えながら設計と向き合っている。

 

 

最終講義となった住宅医スクールのため東京へ。

ハンドドローイングの巨匠 皆川明の展示会があるからグッズを買ってくるように…と、 妻からのミッションを受けて東京現代美術館へ。

 

 

3年の改修工事で休館していた日本最大の美術館。
長さ約140mのエントランスホール。

コルクを使った中庭のベンチに腰掛けてみたかったけれど生憎の雨。。。

 

 

変わって約1年ぶりのギャラ間。  @TOTOギャラリー間

建築家 増田信吾+大坪克亘の個展。

「それは本当に必要か。」という問いに、普段当たり前のように思考を巡らすこととの 対峙に、その価値の源が潜んでいると改めて考える。

 

 

フライトの時間を気にしながら、どうしても見たかった吉岡徳仁の
ガラスの茶室を見るために国立新美術館へ。

都合で佐賀県での展示を見ることが出来なかった茶室と対峙し、雫がポツリポツリと 滴り落ちるガラスの屋根に、境界との曖昧さについて考える。

 

 

「森の中の美術館」をコンセプトに設計されたという波のようにうなるガラスのカーテンウォールは 写真で散見していて興味を惹かれなかったけれど、実際に触れるとなかなか良かった。

 

 

円錐形の正面入口と対比した逆円錐。

円筒の柱と縦格子組が織りなすシークエンス。

時間の都合上、興味深い展示に目もくれず見て廻った建築。
食わず嫌いはいけない。

何事も。。。

@t.imamura

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